あのグローバルIT企業の利益率が圧倒的に高いワケ

あのグローバルIT企業の利益率が圧倒的に高いワケ




Sponsored Link

Facebook、LINE~使う人が増えれば増えるほど価値が高まる~

★↓↓是非クリックしていただけると記事作成の励みになりますヾ(;´▽`A↓↓★
⇒ 今何位? <人気ブログランキング>
人気ブログランキング

 

 

数億人レベルのユーザーを集めているサービスやソフトが世界には多数あります。もちろん、生活の一部になるほどの価値を提供しているから利用者も増えるのですが、なぜそこまでの規模で増えたのでしょうか。その秘密を理解するためのキーワードが「ネットワーク外部性」です。

少し古いですが、FAXを例に上げて解説していきましょう。FAXを最初に設置した人の便益は明らかにゼロです。なぜなら、FAXを送る相手もいませんし、FAXを送ってくれる相手もいないからです。

2人目の設置者には、「1人目の設置者とFAXのやり取りができる」という便益があります。この便益を、設置に伴ってかかる費用と比較して、実際に設置するかどうかを決定することができます。同様に、3人目の加入者は、先の2人と送受信できるという便益と設置の費用とを比較して、実際に設置するかどうかを決定することができます。

このように、加入者数が増えれば増えるほど、1利用者の便益が増加し、ますます利用者が増える、という現象が「ネットワーク外部性」です。新規加入者にとっての便益は、既存加入者の数に依存するため、加入者数が少ない間はなかなか普及しません。しかし、加入者数がある値を超えると、一気に普及します。これは、FacebookやLINEのサービスにそのまま置き換えることができます。

Facebookを利用する人が増えれば増えるほど、Facebookを利用する価値が高まります。その結果、まだ使っていない人も、その価値を享受したくて参加してきます。満足してくれているユーザーは、どんどん勝手にクチコミして広めてくれます。ソーシャルメディアでシェアしてくれるのです。結果、ますます友達や知人にすすめることになるわけです。

■バンドワゴン効果とは?

ネットワーク外部性と似た概念として「バンドワゴン効果」というものもあります。これは、同じサービスや商品を消費する人が多ければ多いほど、また、他人の消費量が多ければ多いほど、自分がそのサービスや商品を消費する事の効用が高まるという効果のことです。

Google~人が集まり、情報が集まるほど、お金になる~

テレビ局の一番の収益源は、CMです。「自社、あるいは関係会社/協力会社によって作られたコンテンツをたくさんの人に見てもらえる」という前提の下、広告主からお金をもらってCMを流すのです。ラジオ、新聞、雑誌も似たところがあるでしょう。「興味をもってもらえそうなモノを自分で作り出す」ということです。

しかし、Googleはどうでしょう?

Googleは、「世界中にあるおもしろいコンテンツの上に、あるいは、そのコンテンツに連動させて、広告を出していく」という仕組みを提供しています。原則的には、Googleは自社でコンテンツを作っているわけではありません。むしろ、「そういう人が集まってくるようなコンテンツが見れる場所」と「仕組み」を作ることに特化しているのです。

検索エンジンビジネスでは、ユーザーの利便性を高める検索システムを提供することで、多くのユーザーに使ってもらうことが重要です。そして、その利便性を高めるためには、できる限りたくさんのサイトを効率よく集め、ユーザーがほしかった結果をより正確に返していきます。

そのために、Googleはウェブ上に公開されているものを集め、分析し、価値を提供しています。Googleが買ったYouTubeという会社は、ユーザーの動画を世界中から集めるための「仕組み」ですし、Gmailも私たちが書く言葉を大量に調べるためのデータベースになりえます。そのデータそのものを外部に提供することはしていませんが、「どういう書き方をするのか?」「どういう言葉とどういう言葉を使うのか?」「どういう流行りがあるのか?」といったことは探っているかもしれません。その知見が、検索エンジンの性能向上に役立っているわけです。

Googleに上記のようなデータが集まれば集まるほど、Googleはユーザーが求めていることに到達できる可能性が高まってきます。そして、そこにユーザーが求る広告をサラっと表示してあげれば、おのずとクリックしてもらえるわけです。そうなれば、Googleに広告料の一部が入ってきます。

■Googleの利益率が他のIT企業よりも高くない理由■

Googleの売上高のおよそ90%以上が広告によるものですが、その利益率は30%を超えるくらいです。40%、50%という営業利益率を出すIT企業もあるなか、この数字はそれほど高い水準とは言えません。

しかし、これには理由があります。Googleの決算書を眺めてみるとわかりますが、研究開発にかなりのお金を投じているのです。年によって差はありますが、15~16%は研究開発費として使っているようです。

40%、50%という営業利益率をたたき出しているIT系の会社でも、Googleほどの研究開発費を投じている企業はマレです。しかも、絶対額でいったらGoogleは圧倒的。この研究開発への投資こそが、Googleの競争力の源といえるかもしれません。

定期的に検索エンジンのアップデートをするGoogleですが、2013年9月末に話題になったのが「ハミングバード」というアップデートです。ハミングバードは、かんたんにいうと次のような内容です。

ユーザーが検索窓に入れた言葉を、まるで人間が判断するかのように、柔軟に解釈し、そのユーザーが本当に知りたいものを結果として返す

たとえば、「ハンバーガー1つのカロリー」というキーワードで検索すると、以前は「ダイエットデータベース」の1ページを検索結果として返して、●●●ナルドのような企業サイトを一番上にヒットさせることはなかったようです。しかし、ハミングバードによって、●●●ナルドの公式サイト内のページが検索結果に一番上に表示されるようになりました。●●●ナルドが売っているハンバーガーの、1つあたりの栄養成分一覧表が載っているページです。

ユーザーが本当に知りたいと思っている情報は何なのか?

検索エンジンがそれをわからず、単なるキーワードを文字列として判断して、それにどれだけマッチするのかだけだったら、こういう検索結果は表示されないでしょう。そこに、Googleが研究開発に投資している意味があるのです。

ただ、これはGoogleの手がける多彩な研究活動の1つでしかありません。Googleは、次の主戦場はどこなのか?も含め、多くの研究にお金をつぎ込み、競合他社がついてこれないような技術を自社で作り上げることに邁進しています。そして、これまで誰も想定していなかったマーケットを自ら構築してしまおうとしているのかもしれません。

Googleのラリー・ペイジCEOは、次のように言っています。

未来を予測する最善の方法はそれを創る事だ。

Apple~iPhoneの7割が利益になる秘密~

もしあなたが、2000年にAppleの株を10,000ドルほどで購入していたなら…、Appleの音楽戦略を見てその将来性にかけていたなら…、そしてその株を買っている事すら忘れて2013年まで持ち続けていたなら…、どうなっていたでしょうか?

2000年のAppleの株価の最安値は約15ドル。それに対して、2013年は500円弱のところまできています。ピーク時よりはやや落ちてはいますが、途中1株を2株にする株式分割を行っていますから、それを考慮すれば、約70倍になっています。

つまり、10,000ドルが、現在では700,000ドルになっていることになります。為替の問題もありますが、1ドル100円程度で考えると、約7,000万円程度です。

株価は2005年以降、ほぼ右肩上がりです。カリスマであるスティーブ・ジョブス氏が亡くなったことの影響が出るのもこれからかもしれませんが、それでも相当な好業績を維持しています。

なぜ、Appleはそのようなことが実現できているのでしょうか。

 

iPhoneの7割近くは利益

その源泉の1つが、iPhoneとそのまわりにあるアプリです。

Appleの新型スマートフォン「iPhone 6」「iPhone 6 PLUS」は、2014年9月19日に発売され、発売3日間で1,000万台を販売(※Appleの公式リリースより)するなど、過去最高の滑り出しを見せました。

リサーチ企業のIHSが解体し分析したところ、iPhone 6の製造原価は200ドル~247ドル(約2万2,000円~約2万7,000円)。iPhone 6 PLUSは216ドル~263ドル(約2万3,000円~約2万9,000円)程度であると発表しました。

iPhone 6の日本での販売価格は16GBモデルが75,800円、64GBモデルが87,800円、128GBモデルが99,800円。iPhone 6 Plusは16GBモデルが87,800円、64GBモデルが99,800円、128GBモデルが111,800円となっています。しかし、16GBモデルと128GBモデルの原価には5,000円~6,000円の差しかありません。

iPhoneの7割近くは利益

また、iPhone 6の16GBモデルについては、部品原価と組み立てコストを合計した最低製造原価は約200ドルと見積もっています。

この高利益率の秘密の一つは、iPhoneがほぼ単一のモデルで、世界中に同じ端末を売ることで生まれます。一度に大量の台数を生産することができるので、生産量1単位あたりの平均費用が低下するのです(※これを「規模の経済」と言います)。

そして、Apple社全体では営業利益率35%を維持しています。携帯端末を出している大手メーカーと比較すると、サムスンの営業利益率は約15%ですが、その他のソニー、モトローラー、LGなどは一桁%か、場合によってはマイナス。比較してみると明らかに好業績といえます。

AppleはMacOSやiOSを提供しているので、何となく「ソフトウェアの会社」というイメージもあるかもしれませんが、売上・そして利益はハードウェアビジネスの貢献度が非常に高いのです。

その点をふまえると、カリスマ亡き後に、製造業の戦略・戦術に長けているといわれるティム・クック氏がCEOに就任したことは、非常に理にかなっています。

クック氏は、製品、部品調達、サプライチェーンにおいてキャリアを培い、実績を出してきた人物です。Appleが倒産寸前の状態にあった1990年代半ば以降、クック氏がだれよりもうまく同社を立ち直らせたことはほぼ間違いありません。ハードウェアが収益基盤にあるということは、調達などでのコストコントロールが最も重要になるので、それに長けた人物こそ経営の要になります。

 

ソフトをスパイスにしてハード(料理)を売る

Appleの儲けの仕組みを考えるにあたって、AppStoreの存在は欠かせません。

AmazonのCEOのジェフ・ベゾス氏が出資したことでも知られるアメリカのウェブ・ニュースメディア「BUSINESS INSIDER」で、アプリがAppStoreで販売されたときの、Apple社の儲けの割合が分析されています。

『アナリストの分析によると、アプリの平均販売金額は$1.44で、開発者に70%が支払われ、クレジットカード会社に手数料が16%支払われ、サーバーや回線費用等のインフラ費用に1%の経費がかかり、Apple社の取り分は13%の$0.18になるそうだ。Apple社はフリーソフトのためのインフラ費用も負担しており、AppStore立ち上げからApple社は5億3,800万ドルの収益を得ているが、正味の利益は2億9,200万ドル程度だと推定される』

金額的には、ハードウェアと比べると、そんなに大きくありません。しかし、このAppStoreが非常に重要なのは、「iPhone経済圏」とも呼べる世界を形成する中心となっているところです。

Appleは、AppStoreで自社のアプリをたくさん販売しているわけではありません。たくさんの外部の開発者がアプリを作成・登録して売上げてくれることで、Appleにも一定の割合で収益をもたらしてくれる仕組みが出来上がっています。いわば、「場所貸しシステムの胴元」としての立場を持っているのです。

いろいろなアプリが揃えば、それを使えるハードウェアの魅力も高まります。簡単に言うと、Appleはソフトを「スパイス」にして、非常に高付加価値のハードウェアという「料理」を販売して儲けるモデルになっているわけです。

そこに着眼点をおくと、たびたび比較されるAmazonとは全く違う立場にいることが解ります。

Amazonが販売しているタブレット端末「Kindle Fire」は、赤字かギリギリ損益分岐点にある価格で市場に投入されています。2011年に出荷開始されたタブレット端末「Kindle Fire(キンドルファイア)」は、製造原価が$201.70。それに対して販売額は$199です。つまり、Amazonは、Kindle Fireを販売するごとに損失が膨らむという構造です。

fireタブレット kindle電子書籍リーダー

 

なぜそのようなことをしているのかというと、Amazonは流通業であり、ハードウェアは「Amazon内でユーザーにさらに商品を買ってもらうための販促材料」と考えれば納得がいくでしょう。Amazonはハードウェアそのものではなく、端末を通じて有料コンテンツ(※商品)を販売することで収益を上げるというビジネスモデルを取っています。

Sponsored Link

 

GREE、DeNA~「激安の原価×安い販売価格×莫大な数量」で利益を生むアイテム課金・デジタル財~

「儲かるビジネスの特徴は?」

そう言われてまっさきに思いつくのが、「激安の原価で商品を仕入れ、できるだけ販促費や人件費をかけずに、安い販売価格で大量に売りさばく」こと。では無いでしょうか?それができれば、大きな利益率をたたき出すことができます。

その理想に近い形をインターネット上で実現したのが、「ソーシャルゲーム」というプラットフォームとしてのポジションを築いた、GREEやDeNAです。

 

商品の原価は激安

すでに一時期社会的に問題となり低調にはなっていますが、彼らの収益を押し上げたのが「コンプガチャ」の仕組みです。コンプガチャとは、デジタルデータをコレクションアイテムとして、収集させることを加速させるものです。

このデジタルデータは、ある一定の確率で出現する事になっているため、回数をこなせば大体のモノはあつまる建前です。ただし、中にはレアアイテムというものがあり、それらはなかなか出現されません。

私たちは、そのようなレアアイテムに対して「もう少しで出そう」「ここまで揃えたのだからもう少し頑張ろう」「次こそは絶対に出る」などという気持ちに掻き立てるものです。そうなると、「あと1回だけ」「もうこれで最後にしよう」「本当にこれで最後にしよう」となってしまい、どんどんをお金をつぎ込んでいくことになります。

80年代に流行った、ビックリマンチョコブームを経験したことがあるなら解るかも知れません。しかし、ビックリマンチョコはクレジットカードで決済をすることはありませんし、お店に陳列されている分しか買うことができません。頑張って買っても、親に頼みに頼み込んでもらった千円札で1箱買い占めるくらいが関の山でしょう。

しかし、ソーシャルゲームのデジタルアイテムやコンプガチャはクレジットカードでの決済ができ、際限がありません。数量がリアルに限定されているわけでもないのです。

デジタルアイテムには制作費はかかりますが、大規模な生産工場が必要なわけでも、大量の人手が必要なわけでも、莫大な原材料費がかかるわけでもありません。コンプガチャにいたっては、仕組みを入れるだけ。そして、流通のためのコストや、商品を保管するためのコストなどの付随的な費用はほとんどかかりません。一度商品を作成したらあとはデータをコピーするだけ。大きな追加費用をかけることなく、売れているものだけを自由に量産することができるのです。

 

データを分析して「ゲームを辞める理由」をつぶしていく

ソーシャルゲームやアプリの売上げは、次の式で求められます。

売上=総ユーザー数×アクティブ率×課金率×ARPPU(課金ユーザーの平均課金額)

つまり、ユーザー数を増やす施策、アクティブ率を上げる施策、課金率を上げる施策、ARPPU(※課金ユーザーの平均課金額)を向上させる施策の一部または全部を導入することで、売上アップをはかっていくこといなります。

そのために、ソーシャルゲームでは、ユーザーの行動をあらゆる角度から分析して、改善につなげていくことが常識です。ソーシャルゲームでは、ユーザーの行動履歴はすべてデータとして残ります。わたしたちがアクセスしたタイミングや、クリックしたタイミング、どういう人と交流しているのか、などのあらゆる行動は、運営会社にとっては宝の山なのです

どうすれば、ユーザーがもっとゲーム内に滞在してくれるのか?

何をどう変えたら、もっと他のユーザーと交流を深めてもらえるのか?

どうしたら、何度もゲームをプレイしてくれるのか?

と、集めたデータから、ゲームそのものの微調整から大きな改善点までを探っていき、それを各担当部署と共有することで、施策を行っているのです。

たとえば、ゲームへのアクセスデータの中で、あるイベントの後に、突然リピート率が減ったとします。このとき、データ分析担当者は、当該ゲームの開発チームと連携しながら、問題の仮説を立て、検証し、修正を施していきます。そして、

●一定のパラメータの効果を増減させる
●より先にすすめやすいアイテムを出現させる

など、プレイヤーが「ゲームを続けない理由」を1つずつつぶしていきます。

PS3やXbox、Wiiなどの専用ゲーム機や、パソコン向けのオンラインゲームなどでも、リリース後のバランス調整は必ず行われます。しかし、そのような大規模なゲームでは、システムの複雑さから、タイムリーな改良は難しく、修正の頻度もそれほど高くすることができません

一方、ソーシャルゲームの仕様は、それらに比べると比較的単純です。朝に出たデータから立てた仮説に基づき、夕方には修正を実装することもできるでしょう。

このような、これまででは考えられないほどのスピード感あふれるPDCAサイクルを実行することにより、そのゲームはどんどんと収益が出るように最適化されていきます。一般的な事業展開において、月次で反省をすることさえままならないことが多い状況ですが、ソーシャルゲームの現場では、日単位、もしかしたら、時間単位くらいのスピード感で改善が行われていることになります。

低い原価率と、カード決済でいつでもどこでも購入できる仕組みと、人間の心理を巧みについた構造。それぞれが重なり合ってできたのが、ソーシャルゲームコンテンツを提供する会社の儲けの秘密なのです。

■ビッグデータとデータサイエンティスト

「ビッグデータ」という言葉を、書店などでもだいぶ多くの場所でみかけるようになりました。総務省のサイトでは「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」とされていますが、簡単にまとめると「とにかく膨大なデータを集め、その集めたデータを専門家が分析して、事業に役立てる=売上向上につながる知見を得る」ということです。

たとえば、EC(※電子商取引)事業を手がけている企業ならば、「消費者のあらゆる購買データを分析し、より売れるための施策につなげる」といったことになりますし、上記記事でも解説したゲーム会社であれば、「ゲームをプレイしているユーザーのすべての行動記録を解析して、ゲームを続けてもらうようにする」といった目的で、データを利用します。

しかしここで、重要な問題が発生しています。この膨大なデータを扱える人があまりにも少ないことです。単純に「集めたデータをExcelに放り込めば、一定の結論が得られる」というレベルの話ではありません。したがって、高度で専門的な教育を受け、それを実際に応用してきた人間にしか、ビッグデータを扱うことはできないのです。

高度なデータ分析ができる人間を、「データサイエンティスト」と呼ぶこともあります。その中には、特定の分野で博士号を取得している人も多いようです。一部では「今後もっとも必要とされる職業」とされ、各企業では社内にどれだけデータサイエンティストを確保するのかが急務となっているようです。

マイクロソフト~無限にコピーができ、世界中のパソコンにインストールされるたびにお金が入ってくる~

現代では、パソコン無しで済ませられる仕事はほとんどありません。また、文書を作成しなくてすむ時も、計算をしなくてすむ時もほとんどないでしょう。自分で作らなくても、誰かが作ったもの見る必要があることは多いはずです。

デファクト・スタンダード」という言葉があります。「事実上の標準」という意味ですが、 業務用パソコンで標準なのはWindows。じつに、パソコンの9割以上がWindowsインストールマシンです。そして、ワープロソフト、スプレッドシート、プレゼンテーション用ソフトとしては、Office(Word、Excel、Powerpoint)が入っています。

大型家電量販店などの店頭で見ればわかりますが、OfficeありとOfficeなしのパソコンでは、販売価格にかなりの差があります。

WindowsとOfficeを提供しているのは、マイクロソフト。同社の2012年6月の決算を見ると、売上高は6兆4139億円、営業利益は1兆8,934億円、営業利益率は30%と、かなりの高収益であることがわかります。

マイクロソフトは、どうしてここまでの高利益率を享受できるのでしょうか?

その1つの要因は、Office製品がマイクロソフトの事実上の独占状態にあったからです。また、このオフィス製品から排出されるファイルフォーマットが広く行き渡りきった結果、「ファイルをやりとりする際には、Office製品をもっていないと不便すぎる」という状況が作り上げられました。

単純なテキストやスプレッドシートをやり取りするだけなら、オープンソース系のソフトや、GoogleドライブのなかにあるGoogle Docsなどの無料で使えるツールでもことは足ります。MacだとAppleの提供するiWorksでワープロ、スプレッドシート、プレゼンソフトを利用できます。自分だけで使う資料なら、こういったものを利用してもそうそう問題は出ません。しかし、フォーマットを変更したり、レイアウトをガンガンカスタマイズしたり、マクロをどんどん使っていると、少し互換性に心もとない部分もあります。そういう書類をだれかとやり取りし始めると、ややこしくなります。現実的には、完全にほかのソフトに移行するのはなかなか難しいでしょう。

マイクロソフトは、いわば文書や表計算のファイルの「プラットフォーム」を作り上げたといえます。

オフィスツールの事実上の標準=デファクトスタンダードの地位を築き上げた結果、マイクロソフトは自らOffice製品を売り込む必要がなく、ユーザーの方から「売ってくれ」と言われる状態になります。価格にかんしても、ある意味、マイクロソフト側の言い値でも可能でしょう。

この背景には、まさに上記記事でも解説した「ネットワーク外部性」が働いているといえます。みんながOfficeを利用していて、自分もOfficeを使うことで、利用者全員の利便性が高まるのです。相手にデータを送る場合にファイル形式を意識必要はありませんし、相手から送られてきたデータを見る時にレイアウトが崩れることもありません。過去の資産も、原則としてそのまま開くことができます。悩むことなく、文書を開き、計算を重ね、グラフを作り、プレゼン資料を作ることができます。

仮にマスターが1つ出来上がれば、あとはそのデータのコピーを繰り返すだけ。ソフトウェアすべてに共通する特徴ですが、いくらデータのコピーを繰り返しても、元のデータが減ったり、コピーしたものが劣化したりすることがありません。いくらでも、低コスト(※ほぼゼロに近い形)で追加製品を製造することができるのです。

こうやって、マイクロソフトは長い間、高利益率を生み出し続けてきたのです。

Sponsored Link

 
★↓↓是非クリックしていただけると記事作成の励みになりますヾ(;´▽`A↓↓★
⇒ 今何位? <人気ブログランキング>
人気ブログランキング

 

 

前の記事へ
次の記事へ