「MVNO」や「格安SIM」って何?格安SIMの「基礎知識」




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「MVNO」や「格安SIM」って何?格安SIMの「基礎知識」

格安SIM=大手キャリア以外が提供するSIMカード

 通信事業者にはMNO、MVNO、MVNEの3種類が存在します。MNOは「Mobile  Network Pperator」の略で「移動体通信事業者」という意味になります。

 スマホ、タブレット、携帯電話などの通信機器とつながる無線基地局、交換機、ゲートウェイなどの設備を所有し、直接利用者に対して通信サービスを提供しているドコモ、au、ソフトバンクなどの事業者がMNOにあたります。

 一方MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略で「仮想移動体通信事業者」のこと。MVNOはMNOから無線通信回線設備を借りて、利用者に対して通信サービスを提供しています。 IIJmio、OCNモバイルONEDMMmobile、FREETEL、UQ mobile楽天モバイルなどが代表的なMVNOです。

 

 最後のMVNEは「Mobile Virtual Network Enabler」の略で「仮想移動体サービス提供者」という意味です。MNOから設備を借りても通信サービスを利用者に提供するためには課金、顧客管理、コンテンツ・アプリ提供などのノウハウが必要です。

これらノウハウを持っていない事業者がMVNOに参入するための支援を行うのがMVNEの役割です。

 MVNEはMNOから直接回線を購入していますが、直接回線を購入している事業者がすべてMVNEとしての事業を行っているとは限りません。

 

 MVNOは設備にかかる費用を節約できるぶんMNOより安価にサービスを提供しているので、「MVNO SIMカード」と「格安SIMカード」はほぼ同じ意味で使われています。ただし音声通話機能付きの格安SIMカードの通話料は20円/30秒と決して安くはありません。

音声通話しすぎると「激高SIMカード」になりかねないので注意が必要です。

 

 

「SIMフリースマホ」って何?

SIMフリースマホは”キャリアに縛られずに使えるスマホ端末”の事

 ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアが販売しているスマートフォンには、自社のSIMカード以外では通信できないようにロックがかけられています。このSIMロックのかかったスマートフォンのことを「SIMロックスマートフォン」と読んでいます。

 その一方で、アップルやASUS、ファーウェイなど端末メーカーが直接販売するスマートフォンにはSIMロックがかかっていないため、どのキャリアのSIMカードでも利用できるという意味から、「SIMフリースマートフォン」と呼ばれています。

 

 2015年5月1日からSIMロック解除の義務化が施行されており、同日以降に発売されたスマートフォン、タブレット、モバイルルーター、携帯電話は購入してから原則6ヶ月経過後にSIMロックを解除できます。

 店頭では事務手数料3,000円が必要ですが、各社が用意しているサポートサイトっで手続きすれば無料です。

 ただしドコモ、au、ソフトバンクのAndroidスマートフォンはそれぞれ通信に利用している周波数が異なっており、またVoLTEなど高音質通話サービスに互換性がないので注意が必要です。

 iPhoneはどのキャリアで販売されていてもハードウェア的に同一ですべてのバンドをサポートしているので、SIMロック解除後にどのキャリアのSIMカードでも利用できます。

 

 なお格安SIMカードにはドコモ回線を利用するものと、au回線を利用するものがあり、前者ならドコモのSIMロックがかかったままでも使用することが可能です。中古スマートフォン売り場ではSIMロックがかかったままの端末を「白ロム機」として安価に販売しています。

格安SIMカード導入時の初期費用を抑えるには絶好の端末です。

 

■SIMロック解除手数料(※NTT DoCoMoの場合)

(650×)SIMロック解除手数料

▲キャリア端末は6ヶ月後忘れずにSIMロック解除しましょう。格安SIMカードだけでなく、海外旅行先で購入したSIMカードも利用可能になります。

 

 

「技適マーク」って何?

技適マークは”日本で利用できることを証明するマーク”の事

 「技適マーク」とは、電波法令で定められている技術基準に適合している無線機であることを証明するためのマーク。スマートフォン、携帯電話、家庭用電話機、そしてタブレットやノートパソコンなどにも付けられています。

国内で技適マークの付いていない端末を使用すると電波法違反で、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。

 

 キャリアショップで販売されている端末や、家電量販店などで販売されているSIMフリースマートフォンは当然技適マークが適用されていますが、海外通販などで購入可能なSIMフリースマートフォンの多くは各国の認証を取得していても、技適マークは付いていないので気を付けましょう。

 なお訪日外国人が所有している技適マークのないスマートフォンなどを、日本で販売されているSIMカードで利用可能とするために電波法の一部改正がされています。

しかし、技適マークのないスマートフォンを日本で利用可能なのは海外で購入して利用開始した場合のみで、海外通販で購入した場合などは対象にはなりません。

 今後さらに規制緩和される可能性はありますが、技適マークのないスマートフォンは基本的に海外旅行の際に現地で使用するためのものと限定して考えておきましょう。

 

■iPhoneの場合・・・認証情報を画面に表示する端末が多い

 

(240×480)iPhoneの場合

▲全世界で販売される端末の場合、各国の認証情報をすべて記載するのは困難です。そこで認証情報を設定画面に表示するケースが増えてきました。

 

 

格安SIMの料金が安い理由!

初期投資、維持費、サポート費を削減しているから料金を安くできる!!

 格安SIMカードを提供しているMVNOは、ドコモ、auなどのMNOから無線基地局、交換機、ゲートウェイなどの無線通信設備を借りているので初期投資が少なく、それらを維持するための費用も必要ありません。

またMNOはキャリアメールや、音声通話かけ放題、各種コンテンツサービスを提供したり、端末をメーカーと共同開発していますが、MVNOは提供する機能を絞り込み低料金を実現しています。

 

 販売コストも両者で大きく異なります。MNOは全国にショップ網を広げ、テレビCMなども数多く流していますが、MVNOは基本的に通販型の販売モデルを採用しています。

 留意しなければならないのはサポートコストの削減です。MNOならショップで丁寧なサポートを受けられますが、MVNOはサポートコストを有償にすることで低価格化を果たしています。手厚いサポートを必要とするなら格安SIMの利用は避けるようにしましょう。

 

 

月々どのくらい節約できる!?

音声かけ放題込みで4,000円、2年間で96,000円の節約が可能!!

 MNOからMVNOに移行することで料金をどのくらい節約できるのか、同じ条件で比べてみましょう。比較するのはドコモと楽天モバイルです(※2016年5月現在)。

 5分の音声通話かけ放題、5GBのデータ通信プランという条件で計算すると、ドコモの場合はカケホーダイライトプラン1,700円、データMパック5,000円、spモード使用料300円・・・合計月額7,000円。

 楽天モバイルの場合は5分かけ放題オプション850円、通話SIM5GBプラン2,150円・・・合計月額3,000円と、4,000円もの差が付きます。しかもドコモはカケホーダイライトプランを外せませんが、楽天モバイルならLINEやフェイスブックの無料通話を使うという前提で5分かけ放題オプションを外すことも可能です。

 手厚いサポート、キャリアメール、決済サービスに4,000円の価値があるのかどうかじっくり考えて、MVNOに移行するか決めましょう。

 

■MNOとMVNOの月額料金を比較

(650×)MNOとMVNOの比較

▲ドコモはカケホーダイ2,700円、データSパック(2GB)3,500円という組み合わせで合計6,500円/月に節約可能。

 

 

SIMカードにはどんな種類があるの!?

SIMカードの種類は3種類でサイズも異なる

 SIMカードには、標準SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカードの3種類があります。現在広く使われているのはナノSIMカードで、iPhoneでは『iPhone5s』以降の製品から採用されています。

 AndroidスマートフォンではマイクロSIMカードがまだ多くの端末で利用されており、ASUSが4月2日に発売した『ZenFone Go』もマイクロSIMカードスロットを2基搭載しています。

標準SIMカードが利用可能なスマートフォンは現行機種では非常に少なくなっていますが、AuBee『FLEAZ NEO』など一部の機種は、標準SIMカードとマイクロSIMカードの両方に対応しています。

 

 SIMカードを異なるサイズに変換するためのアダプターがアクセサリーメーカーから販売されていますが、まれにSIMカードスロットのピンに引っかかって抜けなくなることもあります。数百円でサイズを変換できる便利なアダプタですが、利用する際は自己責任となるので注意しましょう。

 

■SIMカードは現在3種類

(650×)SIMカードは現在3種類

▲左から標準SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード。スマートフォンの小型化が進められる過程でより小さなSIMカードが登場しました。

 

 

格安SIMの料金プランにはどんなプランがあるの!?

タブレットで使うなら「データ専用プラン」がお得!!

 MVNOごとに名称は異なりますが、格安SIMカードにはデータ通信専用、SMS機能付き、音声通話機能付きの3つの月額利用タイプの加えて、データ量をチャージして利用するプリペイドタイプが用意されています。

 固定電話や携帯電話と通話するのなら音声通話機能付きプランを選択することになりますが、データ通信専用プランと比べて600~1,000円程度高くなります。データ通信専用プランは1GB480円と非常に安価な製品も登場していますが、初回起動時にSMS認証が必須になるLINEなどは利用できません。

 SMS機能付きプランは、データ通信専用プランより150円前後高く設定されています。

 プリペイドタイプは使わなければ基本料金すらかかりませんが、そのぶんチャージ料が高い。IIJMioを例に挙げると、2GBで3,000円必要です。長く日常的に使うのであれば、月額利用タイプを選んだほうが良いでしょう。

 

 

 

 

 

格安SIMはどんなスマホで使えるの!?

ドコモ系、au系の”対応周波数”には注意が必要!!

 格安SIMカードにはIIJmioやOCNモバイルONEなどのドコモ系と、UQ mobilemineo(auプラン)などのau系があり、それぞれ使用すう周波数帯が違います。

 富士通『arrows M02』やファーウェイ『MediaPad M2 8.0』のようにドコモ系とau系の両方のSIMカードに対応したモデルもありますが、Android端末はドコモ系とau系のどちらか一方のSIMカードにしか対応していないものがほとんどです。

 

 一方、国内で販売されたSIMフリーの『iPhone』と『iPad』はドコモとauが使用しているすべての周波数帯をカバーしているので、ドコモ系とau系のどちらのSIMカードでも利用することが可能です。

また2015年5月1日以降に発売されたキャリア版のiOS端末であれば、SIMロックを解除することで同じくどちらのSIMカードでも利用できます。

 

 

格安SIMで「できるコト!」「できないコト!」

“乗り換え前”には必ず「利用できる機能」と「利用できない機能」を確認する

 格安SIMカードでもテザリングは利用可能ですが、いくつか例外があります。問題なく利用できるのはドコモ系MVNO SIMカードと、SIMフリーAndroid、SIMフリーiPhoneの組み合わせです。テザリングのために特別な設定も必要ありません。

 一方テザリングを使えないのは、ドコモ系MVNO SIMカードとドコモの白ロム端末の組み合わせと、au系MVNO SIMカードとSIMフリーiPhoneの組み合わせです。テザリング機能が必須なのであれば、このふたつの組み合わせは必ず避けること。

 

 海外で利用できるかどうかも気になるところです。音声通話機能付きプランであれば、音声通話、SMSの送受信は多くの格安SIMカードで海外でも利用できます。ただし国際ローミング時は、肝心のデータ通信機能を利用できないので要注意。

ウェブブラウジングなどをしたいのなら他にSIMフリースマートフォンを用意して、渡航先のプリペイドプランのSIMカードを装着して運用しましょう。

 

 格安SIMカードに移行するにあたって最も困るのが、キャリアメールを使えなくなることでしょう。フィーチャーフォンを使っているユーザーのなかにはキャリアメール以外を受信拒否している人もいます。そのような人にメッセージを送る際には多少不便になりますがSMSを活用しましょう。

 

■dTVは観れる!

(650×)dTVは観れる!

▲d系サービスはドコモ回線限定サービスではないので、MVNOでも利用は可能。

 

 

格安SIMを利用するための「初期設定方法」

“Android端末”と”iPhone”では設定方法が異なる

 格安SIMカードの初期設定は、Androidスマートフォンのほうが難易度は高めです。Androidスマートフォンは「設定→モバイルネットワーク→アクセスポイント名(APN)」に進み、新しいアクセスポイント名(APN)に名前、APN、ユーザー名、パスワード、認証タイプを設定します。

名前は任意の文字列でOKです。なお事業者によってはユーザー名とパスワードの入力が不要な場合もあります。メジャーなMVNOのSIMカードなら、端末内にあらかじめ設定ファイルが用意されています。その場合は設定ファイルを選択するだけでいいですが、まれに設定ファイルが古いこともあります。

もし正常に通信できないときは設定ファイルが最新のものかを確認しましょう。

 

 一方、iPhoneはMVNO事業者のウェブサイトに掲載されている「設定プロファイル」をインストールするだけとお手軽です。しかしプロファイルのインストールにはWi-Fiによるインターネット接続環境が必要となるので、事前に準備しておきましょう。

 

 格安SIM導入時につまずく可能性が最も高いのがこの初期設定です。もし設定方法に自信がないのなら、家電量販店の格安SIMカードコーナーで手続きすると良いでしょう。

 

■Android端末はAPNを設定する

(280×480)Android

▲格安SIMカードごとに異なるAPNを入力する必要があります。メジャーな格安SIMカードなら設定ファイルが用意されていることも。

 

■iPhoneはプロファイルをインストールする

(280×480)iPhone

▲iPhoneの場合、MVNO各社が用意するプロファイルをインストールすればOK。ただしインストールにはネットワーク環境が必須です。

 

 

インターネット接続時の”通信速度”の測り方

通信速度が遅い場合は実際に計測して確かめてみる!

 通信速度は場所、時間、利用者数によって大きく変動します。格安SIMカードに変更して著しく通信速度が遅く感じるのなら、実際に計測してみましょう。

 通信速度を計測するためのアプリは数多くありますが、手軽でオススメなのがネットフリックスの提供する「Fast.com」です。ブラウザ上で通信速度を計測できますし、下り通信速度のみを測定するので素早く結果を得られます。

 さらに詳細な情報を測定したいときには、リンクが掲載されている「SPEEDTEST.NET」を利用しましょう。

 

■fast.com

(280×480)fastcom

▲ブラウザのアドレス欄に「fast.com」と入力すれば、すぐに測定が始まります。ネットフリックスのサーバーで計測が実施されるので精度は高そうです。

 

 

“データ通信量”が上限に達したらどうなる!?

「速度制限」がかかったらデータ通信量を追加できる

 格安SIMカードはキャリアのSIMカードと同様に、規定の通信量を使い切ると速度制限を受けます。速度制限がかかってもスマートフォン用のウェブサイトを見たり、メールやSNSアプリを利用するぐらいならそのまま使えますが、写真をアップロードしたりストリーミング動画を鑑賞するのは厳しいです。

 もし通信量を使い切ってしまったら、サポートサイトから通信量を追加しましょう。

 なお数ヶ月連続で通信量を追加したのなら、契約プランを見直した方が良いでしょう。月額料金よりも追加料のほうがMB単価が高く設定されているので、結果的に安上がりになるはずです。

 

 

「音声通話」を節約する方法

“通話切断アプリ”で長時間の通話を防止!!

 楽天モバイルには”5分かけ放題オプション”が月額850円で用意されていますが、ついつい5分を超えて音声通話してしまうこともあると思います。きっかり5分で音声通話を終了したい人にぜひオススメしたいのが、Androidアプリの『Call-Timer』(CTSOFT)です。

たとえば「Minutes」欄に「4」、「Seconds」欄に「30」と入力して、「Enable/Disable」にチェックを入れれば、音声通話を開始してから4分30秒経過後に自動的に切断されます。これで追加料金を心配せずに会話に集中できるわけです。

 なお「Notification ahead」には音声通話切断の何秒前に通知するかを、「Notification type」にはサウンドやバイブレーションなど通知方法を設定できます。

 余裕をもって、なおかつ相手に伝わらないように通知してほしいのなら、「Notification ahead」を「30」、「Notification type」を「Vibration」に設定するといいでしょう。この設定を追加すれば、音声通話を切断する30秒前にバイブレーションで通知してくれるようになります。

 

■Call-Timer

(280×480)calltimer

▲料金を安くするためとはいえ、いきなり電話を切るのは相手に失礼。アプリの通知が来たら、電話をかけ直すと先方に伝えよう。

 

 

「解約」する際の注意点

解約する場合は「利用期間」を必ず確認する!

 データ通信専用、SMS機能付きSIMカードに解約手数料は発生しません。しかし音声通話機能付きSIMカードを利用開始から1年以内に解約した場合は、解約手数料として9,000円前後を支払う必要があります。

最低利用期間の1年を経過すれば解約手数料は不要になります。もし解約する際には利用期間を必ず確認しましょう。総支払い額が最も安いタイミングで解約しましょう。

 

■「音声通話SIM」には解約金が発生する!!

(650×)音声通話SIMには解約金が発生する

楽天モバイルは「通話SIMの最低利用期間は開通月を1ヶ月目として12ヶ月目までとなります。12ヶ月目以内の解約の場合、違約金9,800円が発生します。」と注意書きで記載されている。

 

 

 

 

[最終更新日]2016/06/13