ビットコイン積立(①②③)で「どれが最もリターンが出やすいか」2026年1月時点でのシミュレーション
注意:これは投資助言ではなく「ルール比較の検証」です。手数料・税金・スプレッド・入出金手数料・レバレッジは全て0として計算しています(現実は必ず不利になります)。また、CMCのFear&GreedはAPI取得にキーが必要なため、公開データで入手できる代替のFear&Greed(Alternative.me)を使い、CMCの区分(0-24/25-49)で判定しました。
0. いきなり結論(最重要)
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長期(2018/02〜2026/01)では、①毎月DCAが最も高い最終評価額になりました。
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③(恐怖〜極度の恐怖でまとめ買い)は、①にかなり近い結果で、期間によっては①を上回る局面もありました。
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②(極度の恐怖だけ待つ)は、上げ相場で「買わずに現金で待つ時間」が長くなりやすく、長期では不利になりやすい一方、直近のように「押し目が多い期間」では①をわずかに上回ることもありました。
結論を一言で言うと、初心者が“取りこぼしを減らして続ける”なら①、ルールで押し目を狙いたいなら③、②は待ちすぎリスクが大きいです。
1. 今回比較する3つのルール(あなたの条件そのまま)
① ドルコスト平均法(DCA)
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毎月1万円を機械的に購入(タイミングは選ばない)
② 「極度の恐怖(0-24)」のときだけ買う
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毎月1万円ずつ貯金
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Fear&Greedが 0〜24 になった日に、貯まっている現金を全額で一括購入
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その後、次に0〜24になるまでまた貯金(ただし0〜24が続く月は、その月ごとに1万円分ずつ買う動きになる)
③ 「恐怖(25-49) or 極度の恐怖(0-24)」で買う
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②と同じだが、買う条件を 0〜49 に広げる
※CMCの区分は、Extreme Fear=0-24、Fear=25-49です。
2. シミュレーションの前提(ここが超重要)
データ
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BTC価格:StooqのBTC/JPY日次終値(2018/02/01〜2026/01/07)
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Fear&Greed:Alternative.meの日次(同期間)
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ただし、価格データ側に休日欠損があるため、“買いシグナルが休日に出たら次のデータ日で買う”扱いです(BTCは本来24/7なので、ここは誤差要因)。
売買タイミング
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「毎月の入金(1万円)」は、その月の最初にデータがある日に加算
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①はその日に即購入
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②③は、入金後にシグナル日が来たら、その日に「現金→BTC」を全額実行
3. 結果①:長期(2018/02/01→2026/01/07)の最終リターン
| 戦略 | 投資総額 | 最終評価額 | 最終倍率 |
|---|---|---|---|
| ①DCA | 960,000円 | 7,943,440円 | 8.274倍 |
| ②EFのみ | 960,000円 | 6,748,180円 | 7.029倍 |
| ③F+EF | 960,000円 | 7,745,472円 | 8.068倍 |
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投資総額は 96か月×1万円=960,000円
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①は②より 約1,195,261円 高く、③より 約197,969円 高い
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③は②より 約997,292円 高い
この期間は上昇局面が長く、「待っている現金(未投資)が多いほど取りこぼす」ため、②が不利になりました。
4. 結果②:開始年を変えると順位が入れ替わる(=未来も断言できない)
同じルールでも、どこから始めたかで結果が大きく変わります。参考として開始年を変えた比較です。
2020/01/01→2026/01/07
| 戦略 | 投資総額 | 最終評価額 | 最終倍率 |
|---|---|---|---|
| ①DCA | 730,000円 | 5,351,070円 | 7.330倍 |
| ②EFのみ | 730,000円 | 4,775,455円 | 6.542倍 |
| ③F+EF | 730,000円 | 5,173,824円 | 7.087倍 |
2022/01/01→2026/01/07
| 戦略 | 投資総額 | 最終評価額 | 最終倍率 |
|---|---|---|---|
| ①DCA | 490,000円 | 1,268,294円 | 2.588倍 |
| ②EFのみ | 490,000円 | 1,103,786円 | 2.253倍 |
| ③F+EF | 490,000円 | 1,273,949円 | 2.600倍 |
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この期間は③が①を 約5,655円 上回りました(ほぼ誤差レベルですが“順位が変わる”のがポイント)。
2024/01/01→2026/01/07(直近寄り)
| 戦略 | 投資総額 | 最終評価額 | 最終倍率 |
|---|---|---|---|
| ①DCA | 250,000円 | 313,949円 | 1.256倍 |
| ②EFのみ | 250,000円 | 322,808円 | 1.291倍 |
| ③F+EF | 250,000円 | 309,431円 | 1.238倍 |
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この短い期間だと②が①を 約8,859円 上回りました(ただし差は小さく、タイミング次第で簡単に逆転します)。
5. なぜ差が出るのか(初心者向けに超シンプルに)
①が強い理由
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「相場が上がり続ける期間」では、投資に晒されている時間(市場にいる時間)が長いほど有利
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迷いが減り、積立が止まりにくい(行動面の勝率が高い)
②が負けやすい理由(長期)
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「0〜24」を待つと、買わない期間が長くなりやすい
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すると上昇相場でBTCを持たない時間が増え、最終的に差がつきやすい
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さらに「怖いときに買う」ルールほど、心理的に実行できずルール破りが起きやすい
③が“中間”になりやすい理由
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買い条件を0〜49に広げることで、②よりは市場に居られる
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ただし①ほどは常に買わないので、上げ相場が強いほど①に負けやすい
6. 実務でのおすすめ(あなたが迷わないための結論)
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継続最優先(初心者の勝ち筋):①
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押し目も狙いたいが、待ちすぎで買えないのは避けたい:③
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②を選ぶなら:「0〜24が来ない間も“最低限の買い”を入れる」など、現金待ちを減らす工夫がないと長期で不利になりやすい
なお、CoinMarketCap自身も「指数はセンチメント指標で、単独で使わず他の分析と組み合わせる」趣旨を明記しています。
7. ここまでの内容を“1行”でまとめる
過去データの範囲では、①が最も安定して強く、③は近い。②は当たれば気持ちいいが、外れる(待ちすぎる)と長期で伸びにくい。
8. 「実際にやる」時の具体手順(知識ゼロでも迷わない)
共通:まず決めること(3つだけ)
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積立日:毎月1回(例:給料日翌日など)
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積立額:毎月1万円(あなたの条件)
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買う場所:取引所(販売所ではなく板取引がある所だと手数料・スプレッドが小さくなりやすい)
①をやる手順(いちばん簡単)
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取引所の「積立」機能(または自動購入)で、毎月1万円を設定
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あとは見る頻度を減らす(価格を見すぎると積立停止しやすい)
②③をやる手順(ルールが増える=ここが難所)
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毎月1万円を「買わずに入金」しておく(現金待機)
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毎日(または週に数回)Fear&Greedを確認
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条件に入ったら、その時点の現金残高を成行ではなく指値も検討して一括購入
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購入後は現金が0(または最小)になり、また貯金フェーズへ戻る
実務上は「毎日チェック」が負担なので、通知(アラート)を使うのが現実的です。ただし、通知を見ても実行しない(怖くて買えない)と②③は機能しません。
9. “見落とすと結果が激変する”注意点(超重要)
(1) 指数が違うと、シグナル日も違う
CMCとAlternative.meは同じ名称でも計算方法が一致しません(CMCは独自指標で、構成要素も公表されています)。そのため、今回の数値は「ルールの性格を見るための近似」です。あなたが本当にCMCの数値で運用するなら、CMCのAPI(要キー)で同じ手順を再計算するのが最も正確です。
(2) 手数料・スプレッドで②③は不利になりやすい
②③は「まとめ買い」で回数は減る一方、急落局面はスプレッドが広がりやすいため、実行価格が悪化しやすいです。①は回数が多いぶん手数料が気になりますが、板取引+低手数料なら影響は小さくできます。
(3) 税金(日本)を考えると“売らない前提”が強い
利益確定(売却)を繰り返すと、その都度課税関係が発生し、実務コストも増えます。今回の①②③は「買い方の違い」なので、売らない長期保有に寄せた方がシンプルです。
10. 結局、リターンを左右するのは「ルール」よりもこれ
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入金を止めない(暴落時に止めると、最も有利な局面を捨てる)
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ルールを破らない(②③は“怖いときに買う”ので破りやすい)
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保有を続ける(短期の上下で売買すると、期待値が下がりやすい)
この3つを守りやすいのが①で、守りにくいのが②(そして次が③)です。
11. 最終判断の目安(あなたがどれを選ぶべきか)
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「毎日チェックは無理」「まず失敗したくない」→ ①
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「買い場を少しだけ絞りたい」「でも機会損失は怖い」→ ③
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「暴落でしか買いたくない」「買えない月が続いても耐えられる」→ ②
12. このシミュレーションの一番大事な読み方
順位は“未来の保証”ではなく、あなたが採用するルールが『上げ相場に強いか/下げ相場に強いか/続けやすいか』を見抜く材料です。長期で勝つ確率を上げるなら、まずは①(または①+少しだけ③の要素)から始めるのが安全です。
補足:②③を「待ちすぎない」ための改良案(参考)
②③をそのままやると、シグナルが来ない間ずっと現金になりがちです。実務では、例えば「待機中も毎月1万円のうち2,000円だけはDCAで買う」「恐怖(25-49)で半額、極度の恐怖(0-24)で残り全額」など、分割ルールにして“買う確率”を上げる人が多いです。こうすると②の弱点(買えない期間)を薄めつつ、押し目を重く買う意図は残せます。
また、今回の結果で②は最終日に現金が1万円残っています。これは最終日(2026/01/07)の指数が0-24ではなく、入金した1万円が“買い条件に当たらなかった”ためです(②は条件に当たるまで買わないので、こうした残高が出ます)。この「最後に現金が残る」現象は、検証期間の終点がどこでも起こり得ます。評価するときは、終点付近だけで勝敗が入れ替わらないよう、複数期間で見るのが安全です。



