民事再生法と売掛金回収の全て!取引先の倒産を乗り越えるための実践ガイド




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取引先の民事再生と売掛金回収について

 取引先が民事再生を申し立てた場合、売掛金の回収は一筋縄ではいきません。ここでは、そのような状況における売掛金回収のポイントと注意点について詳しく解説します。

 

民事再生法とは

 民事再生法は、経済的に困難な状況にある企業が、自らの事業を再建し、債権者全体の利益を確保するための法律です。債務者は、裁判所の許可を得て、再生計画を作成し、債権者の投票によりこれが認められれば、その計画に基づいて事業を再建します。

 

売掛金の回収

 取引先が民事再生を申し立てた場合、売掛金の回収は一筋縄ではいきません。債権者としては、再生計画に基づく弁済を待つか、再生手続きが開始される前に回収を試みるかの選択を迫られます。

 

再生計画に基づく弁済

 再生計画が認可されると、債権者はその計画に従って弁済を受けることになります。しかし、再生計画は債務者の経済状況を考慮したものであり、全額弁済が保証されるわけではありません。また、弁済の期間も長くなる可能性があります。

 再生計画に基づく弁済を選択する場合、債権者は再生計画の内容を詳細に確認し、自社の財務状況と照らし合わせて判断する必要があります。再生計画の内容には、弁済の期間や弁済額、弁済の優先順位などが含まれます。これらの情報を基に、債権者は自社の財務状況やキャッシュフローを考慮して、再生計画に基づく弁済を選択するかどうかを決定します。

 

再生手続き開始前の回収

 一方、再生手続きが開始される前に売掛金を回収することも可能です。しかし、これにはリスクが伴います。再生手続きが開始された後に、再生手続き開始前6ヶ月間に行われた一部の取引は、取り消しを求められる可能性があります。これを「取り消し権」といいます。

取り消し権は、債権者間の公平性を保つためのもので、特定の債権者に不当な利益が生じることを防ぐための制度です。再生手続き開始前に売掛金を回収した場合、その取引が取り消しの対象となる可能性があります。そのため、再生手続き開始前の回収を選択する場合は、取引の詳細やタイミング、取引の公正性などを考慮する必要があります。

 

まとめ

 取引先の民事再生に際しては、売掛金の回収方法を適切に選択することが重要です。全額回収を目指すか、再生計画に従うか、その選択は各企業の経営状況やリスク許容度によります。専門家の意見を求めることも有効な手段となるでしょう。