【2023年10月31日改定版】Coincheckつみたて利用規約で利用者側が不利益を被らない為に必ず把握しておくべき項目10点

　以下では Coincheck つみたて利用規約（2023年10月31日改定）を読み解き、「利用者が不利益を被りやすいポイント」を10項目に整理したうえで、

• 条文の具体的な意味

• 想定されるリスク・落とし穴

• 2025年5月27日現在の最新情報を踏まえた具体的な回避策・対処法

を初心者にも分かるように詳説していきます。

1. 支払い～買付タイムラグ（第3条・第5～6条）

条文の意味

　銀行口座から資金が引き落とされてから、実際に暗号資産が買付けられるまで数日あく――ということを明記。特に毎月プランの場合は、引落日→Coincheck口座入金→買付日まで最大１週間程度の空白がある。

リスク

• 引落し後に相場が急変し、買付日には価格が大きく乖離してしまう

• 引落しは済んでいるのにアプリ上で「まだ買えていない」状態が続く

　2024～25年のFAQでも、スケジュールは*「月末引落・翌月7日前後買付」*が継続。

具体的対策

2. 積立口座の“資金ロック”（第5条4項・第6条4項）

条文の意味

　買付けた暗号資産はまず「積立口座」に入り、ユーザー口座へ振替しない限り売却も送金も不可。

リスク

• 相場急落時にすぐ売れない

• ウォレット統合前のアプリでは総資産に反映されず“どこにあるか分からない”という声も多数（2024年8月～11月の表示不具合）

具体的対策

1. 毎月（または毎週）リマインダーを設定して振替を確認

2. 売却や外部送金予定がある場合は前日までに振替を完了

3. アプリ最新版を利用し、統合ウォレットで総資産を可視化

3. 残高不足で６回連続失敗→自動停止（第10条1項③）

条文の意味

　銀行口座からの引落しが６回続けて失敗すると、つみたて自体が自動停止。

リスク

• 少額でも不足が続くと知らないうちに運用が止まる

• 再開には別途申請が必要（審査落ちのケースも）

具体的対策

• 指定口座は“生活費口座”ではなく積立専用口座に

• 給与振込日前に引落しが来る場合は日程を調整（月イチ→毎日プランへ変更で1回あたり負担を平準化）

• 引落しエラー通知を受信したら即日チャージ

4. 選定銘柄の一方的除外（第9条）

条文の意味

　会社判断や規制変更で、ある通貨が突然「つみたて対象外」になる。

リスク

• 対象外になる直前に高値掴み→売れない期間が発生

• 再開見通しが立たないまま含み損状態になる可能性

　実際、2024年4月の全サービス一時停止時には対象銘柄の取引も止まりました。

具体的対策

1. 高ボラティリティ通貨は比率を低めに

2. 公式X（@CoincheckStatus）や金融庁サイトで規制動向をウォッチ

3. 長期保有方針でも四半期ごとに銘柄分散を見直す

5. Coincheckサービス全体の停止・解約連動（第10条1項④・第11条）

条文の意味

　本人確認問題・不正ログイン等でユーザー口座が止まると自動的に積立も停止し、資金は手動で移すまで動かない。

リスク

• 2025年4月28日、公式Xアカウント不正ログインを受けて全サービスが数時間停止した例あり

• ロック解除審査に時間がかかると価格変動リスクが拡大

具体的対策

• 本人確認書類・住所変更などを放置しない

• SMS二段階認証・パスキーを必ず設定（2024年導入）

• 緊急停止時は慌てて外部送金せず、まず公式アナウンスを待つ

6. 損害賠償責任の極小化条項（第12条3～4項）

条文の意味

　Coincheckが負う損害賠償は*「当社に故意・重大過失がある場合を除き、過去1ヶ月に受領した手数料総額を上限」と明示*。

リスク

• ハッキングで大きな損害を受けても、法的にほとんど補償されない

• 2024年の暗号資産流出総額は前年比21%増の22億ドル（Chainalysis）

具体的対策

7. 規約改定の黙示同意（第13条）

条文の意味

　改定告知後に利用継続または一定期間内に解約しないと、自動的に新ルールへ同意したものとみなされる。

リスク

• 忙しくてメールを見落とし、不利な条件を後から知る

• 2024年1月・3月にもお客様交付書面の改定が実施

具体的対策

1. 「noreply@coincheck.com」を受信許可し、フィルタで“改定”“重要”をハイライト

2. 改定通知が来たら7日以内にチェック→不利なら即停止申請

3. 規約PDFはクラウドに保存しVer管理。変更点を差分比較

8. 表示不具合などシステムトラブル（実例）

最新事例

• 2024年8月1日：一部ユーザーで総資産額が0円と誤表示（つみたて残高のみ欠落）

• 2024年11月アプリリニューアル直後も残高が反映されないケースがFAQに掲載

リスク

• 誤表示に気付かず追加購入／狼狽売り

• 税務計算用の履歴が欠損

対策

• 「買付履歴」「振替履歴」CSVを月次ダウンロードしローカル保管

• 公式ステータスアカウントをフォローし、異常時は取引操作を止める

9. スマホOSサポート終了・認証方式変更

　Coincheckは2024年10月末で旧OSのサポートを終了し、パスキー認証必須化を告知。古い端末を使い続けるとログインできず、振替や停止処理が不可能になる。

　対策: 早めに端末を更新し、バックアップコードを紙に保存。

10. 業界横断リスクと規制強化動向

• 2025年4月、金融庁が暗号資産業者の行為規制強化を示す報告書を公表

• 無登録業者の勧誘も引き続き多発

• 取引所ハッキング・市場流出額は依然として高水準

利用者が取るべき共通対策

1. “交換業登録番号”を確認し、無登録業者には送金しない

2. 強制スナップショット規制（予定）の影響を見据え、貸暗号資産・ステーキング残高を分散

3. 税務計算・レポート作成サービスを活用して損益を常に把握

まとめ

　Coincheckつみたては「積立設定さえすればほったらかしで暗号資産が増える」手軽さが魅力ですが、

• 買付タイムラグ

• 口座ロックによる流動性制限

• 残高不足ペナルティ

• 一方的銘柄除外・サービス停止

• 極端に限定された損害賠償責任

　といった条項次第では、思わぬ損失や機会損失を招きます。上記10項目の対策を実践しつつ、

「公式告知を即チェック → 必要なら停止・振替を機敏に行う」

　という習慣を持つだけで、リスクは大幅に低減できます。暗号資産市場は依然ボラティリティとハッキングリスクが高い領域です。“自動”の裏側で何が起きているかを可視化し、自らコントロールする姿勢こそが、不利益を避ける最善策となるでしょう。